「持つ」という事、「失う」という事について、ちょっと考えてみた。
断片的であちこち話が飛んでいて、本当はつぶやきレベルなんだけど、ツイッターに書くほど短くもまとめられないしこちらに書くことにした。※ちなみに実際に書いてみたら執着点は仮面ライダーの話になった。あれ?
人間は潜在的に「失うこと」を恐れる。ではまず、その話はどのへんから来ているのか。
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■行動経済学では言っていた
以前、趣味レベルで行動分析学とか行動経済学の本をよく読んでたわけだけど、そのへんで「無料」というモノについて触れていて、当時、本を読みながら以下のようなツイートをしたことがある。
「無料」が選ばれる一因。潜在的な「失う恐怖」「失敗の恐怖」がない。ゼロは単なる価格ではなく、ある種、独自のカテゴリであり、割引とは別軸の付加価値を有している。
失う恐怖感というのは行動に影響を与える。だから失うリスクのない「無料」には力があるし人は潜在的にそれに惹かれる、と行動経済学では考える。割引と無料との間には実際の勘定以上に厚い感情の壁があるのだそうだ。この話自体は「無料」の価値について書いたもなんだけど、逆に、失う恐怖の裏づけとして取ることも、まぁできるだろう。
■偉い人も言っていた
アルボムッレ・スマナサーラ長老という人がいるらしい。
俺は宗教や宗教学には全然詳しくないんだけど、Wikipediaによると、
アルボムッレ・スマナサーラ(Ven.Alubomulle Sumanasara nayaka Thera 1945年-)は、現在日本で活動しているスリランカの上座部仏教(テーラワーダ仏教)の僧侶であり、スリランカ上座仏教シャム派の日本大サンガ主任長老である。日本において上座部仏教の教義、およびヴィパッサナー瞑想を普及させる上で、中心的な役割を果たしている。
だそうだ。なんと著書は104冊。すさまじい。ちなみに小飼弾氏との対談本も出しているらしい。
そんなスマナサーラ長老も、こんな話をしている。
※引用元ページの全文はまったく違う話なのだけど、「こんな考え方はある」ということで部分抜粋。
人は本能的に、「無くなること」を嫌がる。脅える。不安を感じるのです。健康、家族、財産、名誉などが無くなることを想像しただけでも、不安でたまらなくなります。必然的に、それらに強く執着するのです。
巻頭法話(129) 怒りに慈しみで勝つ
やはり、人間ってのは「失う」という事を本能的に恐れているらしい。
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じゃあ、だ・・・実際にできるかどうかはまず別として、将来的に何かを失うリスクを無くすための方法論としては「何も持たない」という選択肢も浮かでくる。持たなければ失うことはない、という単純な考えなのだけど、やはりスマナサーラ長老も前述の一文に続けて次のように言っていた。
執着することしか知らない人間には、完全無執着という境地は、理解範囲を超えている。その境地に達する道が正しい生き方だと理解することもできないのです。
巻頭法話(129) 怒りに慈しみで勝つ
少なくとも仏教の考え方では、やっぱり持たずに済むならば、その方がいいと考えるらしい。
■仮に「持たない方がいい」としても実際には
実際には、「何も得ない・持たないことで失う心配がない」というのと、「何かを自分のものにできる」というのを比較すると、おそらく多くの人は後者に魅力を感じると思う。
ここからは行動経済学ではなく、行動分析学の領域に足を突っ込んでみる。
(以前も違うエントリーで触れたことはあるけど)人の行動は「確実に、そしてすぐ得られるメリット」の影響を非常に強く受ける。行動分析学的で言えば「即時性があり」「確実で」「ポジティブな結果」をもたらす事象だ。
身近な話を例にすると、禁煙やダイエットをすることで「多くのポジティブな結果」が得られると頭で分かっていても、それが持続しないのは「即時性がなく」「不確実」だからだ。
人にとって、結果の即時性と、結果の確実性は非常に大きな意味を持つらしい。
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この考え方に当てはめるとと、「将来的に失うことを防げるかもしれない」というのはポジティブな事象だが即時性がなく不確実。禁煙やダイエットと似た属性を持っている。
逆に、「何かを得る・持つ」という行為は、自分の欲求を満たすポジティブな事象で、即時性もあり確実なので、非常に魅力的な行為だと言える。
仮に、長老の言う「完全無執着という境地」に達するのが正しい生き方だと理解に至ったとしても、理解だけでは実行に移すのは難しいと言える。よほど特別な意志を持たない限りは、普通に生きていたら将来何かを失う心配をするよりも、今なにかを得る快感が勝つ。
■仮面ライダー000/火野映司(ひの・えいじ)の話
さて、ここでやっとタイトルにも入っている仮面ライダー000(オーズ)の話に至る。なぜこの話に仮面ライダーOOOを絡めたかと言うと、今期の仮面ライダーの主人公である火野映司は、「一切の執着を持たず、欲望とは縁遠い青年」という設定になっていて、「ちょっとのお金と明日のパンツがあればいい」なんて事まで言っている。まさに前述の「持たない生き方」をしている。そして逆に敵のモンスター(劇中ではヤミーと呼ぶ)は、人の欲望から生まれ、人の欲望で成長するという設定。
想像の範囲だけど、ヤミーの元となる普通の人は我々のことで、(少なくとも現時点では)主人公・映司はその人類の中でも特異点にあたる存在で、我々の生き方・考え方に対して一石を投じる役目を担っているんじゃないだろうか。
(まだ7話しか放送していないので今後の話は全く分からないけど、)人間にとって欲望とは何なのか。持たないという事はどういうことなのか、それは理想なのか、幸せなのか。主人公・映司のその生き方・考え方は最後まで一貫したものなのか、変化するのか。「人」というものをどう描くのか。今後が一層気になってきている。(まぁそれでなくとも、もともと仮面ライダーは好きなんだけどね。)
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持たない生き方。持つ生き方。理想。現実。
幸せな生き方ってなんでしょうね?
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